Enterprise SaaS PLM の準備はできていますか?

  15 Feb 2022

PLM ソリューションを使用している場合、「どうやって Enterprise SaaS ソリューションを利用する準備ができたことがわかるのだろうか?」と疑問に思われているのは、貴社だけではありません。その場合、ひょっとしたら、以下に解説する状況の 1つに心当たりがあると思います。ここでは、PLM プラットフォームのユーザーが遭遇する典型的な状況をいくつか深く掘り下げて、Enterprise SaaS の将来と、「準備はできていますか?」 または 「待っている余裕はありますか?」 に対する回答を明確にしていきます。

状況1: 

貴社はスチール製やアルミ製のホイールを、年間 5500万個製造しています。顧客、コンプライアンス当局、および社内の技術部門からの種々の疲労試験要件をもとに、多くのホイールを試験しています。紙ベースのプロセスや、拠点ごとに異なる既存のレガシーシステムなど、さまざまなテスト方法を扱っています。

状況2:

貴社はモーターを製造していて、「回転または移動するあらゆるもの」の世界最大のメーカーです。例えばスマートフォンのバイブレーションは、貴社のモーターのおかげです。貴社では順調に売上が増加していますが、予算の削減、限られた技術リソース、および製品の複雑さの増大にも直面しています。

製造されたモーターごとにラベルが印字され、そのパッケージ向けにも印刷されます。現在、ラベルには3つの異なるシステムからの情報が印字されています。情報を再入力すると効率性が失われ、ミスが発生しやすくなり、品質問題が継続的に発生する可能性があります。

状況3: 

貴社は薬局向けの自動化技術を設計および製造しています。小売薬局やチェーン薬局、介護施設、病院、公共機関など、6,000 を超える場所や施設に設置されています。薬剤の品質検査はますます複雑になっており、その数も増えています。検査テンプレートは現在は Excel で作成され、手作業で印刷および記入され、記入済みのフォームはスキャンされて PDF で保管されています。

次の目標を達成するには、特注の品質検査アプリケーションが必要です。

  • 検査スループットの向上
  • より多くの検査テンプレートの維持管理
  • 検査テンプレートを最新の状態に保ち、新しいテンプレートをすばやくリリース
  • 検査基準を製品データに直接関連付け
  • パーツレベルでの欠陥追跡
  • 履歴データへのアクセスの高速化
  • デジタルスレッドの開始
  • 品質指標の自動化

状況4:

貴社はユーロ圏の大手金融機関であり、主要な国際銀行グループに属しています。いわゆる製造業ではありませんが、商品のライフサイクルにおいては多くの共通した課題に直面しています。下記の目標には非常に聞き覚えがあるかもしれません: 

  • 市場や地域を超えて商品カタログを管理
  • 商品設計のライフサイクル全体(構想から実現、およびサービスまで)を試行し、市場投入までの時間を短縮
  • 規制および市場の要件と社内ポリシーに準拠
  • 情報のトレーサビリティとサポートのコントロール
  • プロセスの標準化と最適化


これらの状況の1つは思い当たるかもしれませんし、またはまったく異なる状況にあるのかもしれません。ここでのキーワードは「違い」です。ビジネスそのものは異なっていて、ユニークかもしれません。社内プロセスと会社の文化を組み合わせれば、それは間違いなくユニークです。今までさまざまな PLM 製品を調査されてきたことと思いますが、そのシステムは皆、貴社の問題をすぐに解決できると主張しており、データや状況をキャプチャするツールやシステムを提供し、プロセスをスムーズにし、購入後すぐに(OOTB)価値が出ると主張していると思います。

使う側の「違い」の方が共通点よりもはるかに上回っていることを考えると、PLM ベンダーが、OOTB のソリューションを「ワンサイズですべてに対応」として紹介し、上記のすべての違いに対応可能と宣言していることは、傲慢と言わざるを得ません;彼らは貴社のプロセス、コンプライアンス責務、予算、そして企業文化を理解していると言い、そして、「私たちをただ信頼すればいい」 と。

彼らは、彼らの時間軸でソリューションが機能拡張されるのを待つ間は、貴社の現在のプロセスとデータを管理し続ければいいと言います。そして事前定義された構成の上で生産性の向上が達成できる、と言います。彼らは幅広いトレンドに対応する責任を口実に、さらに一般的な基盤のためのソリューションを開発します。

立ち戻って、調査結果を確認し、自社の業界や文化、コンプライアンス環境、および進化するビジネスに対応するソリューションを開発することの利点が、OOTB ソリューションの主張を上回っていることを確認できます。

あなたは、変化する要件に対応できる、機敏でレジリエントなソリューションを提供する会社と提携する必要があると判断しました。それは、初めから変更(想定内、または予期されていないの両方)が起きることが前提で構築された、業務用アプリケーションを構築できるローコードプラットフォーム上に構築された PLM ソリューションであり、テクノロジーや規制、市場の圧力などの変化に対応できるソリューションです。

すると、今度はカーブボールが来ました。コロナ禍をきっかけに取り組みが本格的に開始された DX により、SaaS ソリューションであるべき、と言われました。これは予想できたことです。なぜなら、貴社ではすでにいくつかの SaaS アプリケーションが実行されていたのですが、でもなぜか IT は今まで  PLM  の SaaS ソリューションを実装したことがありません。質問が増え始めます。

カスタマイズ

その SaaS PLM ソリューションは、独自の状況に対応するために、基本サービスをカスタマイズできますか? OOTB 製品を検討した後、これが重要な要件であると以前に判断できました。PLM がカスタマイズをサポートできない場合は、コストのかかる回避策とリターンが減る一時的なギャップに悩まされます。次の質問は、これをどのように克服するか? その環境は、将来のアップグレードに影響を与えることなく、カスタマイズを戦略的に構築できるか? もし、別のアプリケーションを開発してカスタマイズを構築する必要があり、それが PLM と「シームレスに機能しますよ」という回答だった場合、危険信号かもしれません。またすぐに、なかなかリターンが回収できない地獄に戻ることもあります。

アップグレードのタイミング

貴社には厳格に守るべきスケジュールがある、あるいは財務情報の開示のタイミングがある、もしくはコンプライアンス監査が予定されているかもしれません。どれも、一貫性のある正確なデータが重要です。ほとんどの企業では、アプリケーションを変更できない「コードフリーズ」という特定の期間を確保しています。PLM ベンダーに通告されたシステム更新のスケジュールがこれらの状況と重なってしまうとしたらどうでしょう...。

オンプレミス版と同じ

最後に、オンプレミスで使う標準版のソリューションと SaaS で提供されるソリューションとは、完全に同等の機能を備えた設計になっていますか? あなたは、そのように期待しているはずです。SaaS サービスに移行することで、オンプレミス版ソリューションのパワーと柔軟性を犠牲にすべきではありません。

貴社のビジネスは常に変化しています。今日は昨日とは異なり、明日も異なります。市場は変化しており、栄枯盛衰を繰り返しています。従業員の構成も変化しています。年配の労働者は、貴重な知識を持って引退します。新しい労働者は、さまざまな視点、さまざまな期待、さまざまな仕事の習慣を持ってやって来ます。このような変化についていく必要があります。競争力を維持する必要があります。また、労働力はますます分散されています。価値実現までの時間とアジャイル性は、もはや努力目標ではなく、達成を期待されています。経験の浅い労働者であっても、高い生産性が必要です。貴社を含む多くの企業は、独自のクラウド インフラを構築することに消極的です。そんな中、SaaS ソリューションは、すぐに有効な唯一の選択肢と言えます。

貴社は他社と「違う」

貴社が少しでも他社と「違う」と思われるのであれば、ぜひ Aras Enterprise SaaS をご確認ください。Aras は、業界で最も先進的なサービスを提供する PLM SaaS サブスクリプションのリーディング ベンダーです。世界の大企業に、オンプレミスソリューションと同等のフル機能およびアプリケーションを提供すると同時に、最も複雑な要件を解決するための無制限のカスタマイズをサポートしている PLM SaaS ベンダーは、他にはありません。

Aras Enterprise SaaS ソリューションのメリットをさらにご理解いただくには、最新の eBook 「Aras Enterprise SaaS の威力」をご参照ください。


こちらは、英語ブログ記事「Are You Ready for Enterprise SaaS PLM?」を元したものです。